老老介護から発展しやすい認認介護の問題点

日本の人口は今、四人に一人が高齢者という状況です。つまり、65歳以上の人口比率が25%を超えているということになります。それに伴い介護が必要な人々の数も増えてきており、そのなかでも特に「老老介護」や「認認介護」が注目されています。

老老介護とは、高齢者が同じ高齢者を介護するケースを指す言葉で、多くは夫婦や親子、兄弟といった関係によって成り立っています。しかし、介護者自身が高齢者であるゆえに、肉体的・精神的な負担は大きく、社会全体がその問題に向き合うべきだと考えられます。
この老老介護からさらなる問題が生じることがあり、それが認認介護です。これは、介護者と介護を受ける側の両者が認知症の症状を持っている状況を指します。
認知症は理解力や判断力を低下させる疾患です。結果として認認介護の状況では、介護の質が低下し、自己管理も困難になります。さらに、他人に助けを求めることすら難しくなるため、その状況は一段と深刻になります。
認認介護の課題は多岐にわたりますが、そのなかでも特に重要なのが、薬の管理です。認知症の症状が進行すると、例えば「薬を飲んだ」という行為を忘れることが多く見られます。日常的な薬の管理ができなくなり、結果として体調を崩すことにつながるのです。さらに、食事や栄養の管理、体調の把握、お金の管理など、生活のあらゆる面で困難が生じます。
このように、老老介護や認認介護は単に個人レベルの問題ではなく、全社会が関与すべき課題であることが見えてくるでしょう。