現状から考える老老介護が成り立つ年齢

介護する側とされる側、互いの年齢が65歳以上であることを差す「老老介護」。2023年現在での65歳といえば、まだまだ元気で現役で働いている人も少なくありません。また、仕事を定年退職し、年金を受給しながら趣味を謳歌している人も見られます。

厚生労働省が発表した令和3年簡易生命表から見る日本人の平均寿命は、男性が81.05歳、女性が87.09歳です。新型ウイルスなどの流行により高齢者の死亡が相次いだことから、2022年の統計よりも下回っていることが指摘されています。
内閣府が発表する令和4年版高齢社会白書(全体版)では、令和元年の健康寿命を表示しています。男性が72.68歳、女性が75.38歳です。男性を例に取ると、72.68歳から81.05歳の期間は介護などが必要になる可能性が高くなると考えられます。
介護する側とされる側の年齢が65歳以上である老々介護を当てはめると、何歳までが限界だと考えられるでしょうか。それは、体力的な衰えや健康寿命が過ぎ、平均寿命が近づく78歳〜79歳までが限界だと考えられています。平均寿命が80歳を越えることから、介護する側も今後の介護の見通しが立たないことに加え、将来的な経済的不安などを抱くようになる年齢のため注意が必要です。
老老介護を続けることは、介護者と被介護者双方のメンタル面などを不安定にしてしまうことがあります。地域包括システムが確立し、居宅介護が推奨されていることもありますが、早い段階で公的支援を受けられるようにしましょう。